山羊、飴玉、そらまめ、金魚

ごくごく個人的な事情

極細ポッキーの闇

 探し物をしに、波間を縫って泳ぐ。予想していたのよりもずっと容易い。取り巻く粒たちが思っていたよりも柔らかくて小さいからだ。ただ、探し物自体は容易いものだとは言い難い。ここから、私の見知った風景の描かれた一葉を探さなければならないのだから。けれども時間はたっぷりとある、この薄暗く赤く染まった空間の中で、これから一人が持てるすべての時間を捧げるつもりだ。

 

 

 乳首が痛い。文字通り、取れそうに痛い。すでに昨夜、左から6個、右から4個、それぞれ取れた。痛いのはいずれきっと治まるだろう、では取れた方の使い道はどうしよう。

最近、ストップモーションクッキングの動画をよく見ている。調理器具がサラダになったり、サッカー用品がパスタになったり、キーボードがサンドイッチになったりして、技巧と音とアイデアとに目と耳とを見張っている。

それならば、この取れた乳首だって何かの料理になるのではないか、10個もあるんだからさ、ねえ、ほらちょいちょいっと、ねえってば、

 

 

18歳くらいの若者が、私よりも少し上の世代にファンが多いだろうバンドの、今は解散してしまっているバンドのTシャツを着ていた。その服装について話しかけると「え!知っているんですか!?すごく好きなんです!!!」と興奮気味に返された。特段そのバンドのファンというわけではないのでその場は何とかごまかして済んだのだけれど「ここでこれから音楽の話をするのは嫌だなあ」と思ってしまっていた。彼女とその次の日に会うと、スターウォーズのTシャツを自慢してきたので「かわいいなあ」と思った。

台風が来たのでポケモンパンが食べたくなって、スーパーに行ったのだけれど、まるっきり売っていなくて、売り切れた気配すらまるで無くて、いつの間にか半額値引きシールの貼られた食パンを半斤、カゴに放り込んでいた。ふわふわしているらしい。ポケモンパンと言えば、何とも言えない味の蒸しパンなので、ま蒸しパンもこの食パンもふわふわしているからいいか、と思ったけれど、全然良くない、ポケモンシールが付いていない。

やりたいように見た目を変えていたら、陽気な雰囲気が出てきたような気がする。

たぶんきっとこういうのが日記。

 

 

今日の分からないもの。星屑ロンリネス、愛のレジスタンス。